〜“ 絶対の自信 ”がなくても結婚できる。大切なのは“ 腹落ち ”できるかどうか〜

「この人で本当にいいのかな…」その不安は消さなくていい
「結婚を決めるとき、みんな自信があるんだと思っていました」
これは、あるクライアントの方の言葉です。
でも実は、結婚前にまったく不安がない人の方が少ないのです。
- 本当にこの人でいいのかな?
- 他にもっと合う人がいるんじゃないか?
- これからずっと一緒にやっていける?
- もしも何か大きな後悔があったらどうしよう…
こんな風に心がざわつくのは、当たり前のこと。
むしろ、“本気で向き合っているからこそ”出てくる感情なんですよね。
ただ、問題はその不安を「あるか・ないか」ではなく、“ どう扱うか ”にあります。
今回は、そんな「不安があっても進んでいける感覚」についてお話しします。
「絶対の自信」がないと結婚してはいけない…?
私たちは、知らず知らずのうちにこんなイメージを抱いていることがあります。
「結婚するときって、“ この人しかいない! ”って確信があるもの」
「自信満々で決断できないなら、やめておいた方がいいんじゃないか」
「ちょっとでも迷いがあるなら、それは“ やめとけ ”のサインかもしれない」
実際、ドラマや漫画の中ではそういう描かれ方が多いですよね。
でも現実のカップルを見てみると、「不安がゼロのまま結婚した人」はほとんどいません。
むしろ、“ 絶対の確信がないまま結婚したけれど、徐々に育てていった人たち ”の方がずっと多いのです。
だからこそ、こう言いたい。
「不安があっても、結婚はできる」
「不安がある=やめた方がいい、とは限らない」
では、何が結婚を後押ししてくれるのか。
それが、“ 納得感 ”です。
“ 納得感 ”は、安心して決めるための土台になる
「絶対うまくいくという自信はないけど、この人と一緒にいると、こんな自分でいられる」
「完璧じゃないけど、“ 一緒に乗り越えていける感覚 ”がある」
「迷いはあるけど、話し合いながら進んでいけそうな気がする」
これは、実際にカウンセリングの中で聞いた言葉です。
これらの言葉に共通しているのは、“ 自分の感覚に対して納得している ”こと。
要は “ 腹落ち ”しているかどうかです。
「理想通り」ではなくていい。
「条件が完璧」でもなくていい。
でも、“今の自分がどう感じているか ”に対して、納得できていること。
それがあると、人は不安を抱えながらも、人は 一歩を踏み出すことができるのです。
“ 納得感 ”のある関係ってどんなもの?
納得感のある関係には、いくつかの共通点があります。
たとえば──
- 自分の気持ちを話せる安心感がある
- 相手が“ 完璧 ”じゃなくても、“ 誠実に向き合ってくれている” と感じる
- ケンカをしても「話し合い」ができる
- 一緒にいるとき、自分らしくいられる
- 相手といる未来を想像したとき、ホッとする部分がある
どれか一つでも、「あ、これあるかも」と思えるなら、それは大きな強みです。
不安があってもいい。
でも、その不安を上回るだけの「安心材料」が、関係の中にあるかどうか。
それが、“ 納得して進めるかどうか ”の鍵 になります。
不安に向き合うことで、“ 選び方 ”が自分のものになる
不安って、つい「なくしたいもの」「乗り越えるべき壁」だと思いがちです。
でも実は、不安には “自分が本当に大切にしたいこと” が隠れています。
たとえば──
- 「この人と結婚して、私は幸せになれる?」と不安に思う
→ 本当は「自分の幸せ」をちゃんと大事にしたいと思っている証拠 - 「価値観が合わない部分があって気になる」
→「共通の価値観や、話し合える関係性」を重視している - 「相手の家族との関係が不安」
→「結婚後の生活全体を見通す力がある」からこそ出てくる感情
不安を感じることそのものが、あなたの感性であり、大事な 人生のセンサー。
それを無視するのではなく、丁寧に見つめ直すことで、あなた自身の“ 選び方 ”が整ってくるのです。

「不安を抱えたまま進む」ことは弱さじゃない
結婚に限らず、人生に「100%の自信」を持てることって、ほとんどありません。
それでも、「今の自分なりに、納得して選んだ」という感覚があれば、迷いながらでも進める。
そしてその感覚は、結婚後に何かあったとき、自分を支えてくれる軸になります。
「どうせ決めるなら、確信がある状態で」
「ブレない自分でいたい」
そう思ってしまうのは自然なことです。
でも、迷っているからこそ、“ 本当に大事にしたいこと ”が見えてくることもあるんです。
▶ 次回予告:第3回「覚悟が決まらないとき、自分にできる3つのこと」
〜“ 正解 ”を探すより、“ 後悔しない選び方 ”を自分でつくっていく〜
「なんとなく不安」「決めきれない」──
そんな気持ちのまま時間が過ぎていくと、焦りや自己否定に繋がることもあります。
でも、覚悟って 誰かに与えられるものでもなく、
自分の中で育てていけるものです。
次回は、覚悟が決まらないときに「自分にできる3つのこと」について、より実践的な視点からお伝えしていきます。
「納得して選びたい」と願うあなたのために、心の整理と前進をサポートするヒントをお届けします。