【連載コラム6】第2回:「不安があって当然。でも、“ 納得感 ”があると前に進める」

〜“ 絶対の自信 ”がなくても結婚できる。大切なのは“ 腹落ち ”できるかどうか〜

「この人で本当にいいのかな…」その不安は消さなくていい

「結婚を決めるとき、みんな自信があるんだと思っていました」
これは、あるクライアントの方の言葉です。

でも実は、結婚前にまったく不安がない人の方が少ないのです。

  • 本当にこの人でいいのかな?
  • 他にもっと合う人がいるんじゃないか?
  • これからずっと一緒にやっていける?
  • もしも何か大きな後悔があったらどうしよう…

こんな風に心がざわつくのは、当たり前のこと。
むしろ、“本気で向き合っているからこそ”出てくる感情なんですよね。

ただ、問題はその不安を「あるか・ないか」ではなく、“ どう扱うか ”にあります。

今回は、そんな「不安があっても進んでいける感覚」についてお話しします。


「絶対の自信」がないと結婚してはいけない…?

私たちは、知らず知らずのうちにこんなイメージを抱いていることがあります。

「結婚するときって、“ この人しかいない! ”って確信があるもの」
「自信満々で決断できないなら、やめておいた方がいいんじゃないか」
「ちょっとでも迷いがあるなら、それは“ やめとけ ”のサインかもしれない」

実際、ドラマや漫画の中ではそういう描かれ方が多いですよね。

でも現実のカップルを見てみると、「不安がゼロのまま結婚した人」はほとんどいません。

むしろ、“ 絶対の確信がないまま結婚したけれど、徐々に育てていった人たち ”の方がずっと多いのです。

だからこそ、こう言いたい。

「不安があっても、結婚はできる」
「不安がある=やめた方がいい、とは限らない」

では、何が結婚を後押ししてくれるのか。
それが、“ 納得感 ”です。


“ 納得感 ”は、安心して決めるための土台になる

「絶対うまくいくという自信はないけど、この人と一緒にいると、こんな自分でいられる」
「完璧じゃないけど、“ 一緒に乗り越えていける感覚 ”がある」
「迷いはあるけど、話し合いながら進んでいけそうな気がする」

これは、実際にカウンセリングの中で聞いた言葉です。
これらの言葉に共通しているのは、“ 自分の感覚に対して納得している ”こと。

要は “ 腹落ち ”しているかどうかです。

「理想通り」ではなくていい。
「条件が完璧」でもなくていい。
でも、“今の自分がどう感じているか ”に対して、納得できていること

それがあると、人は不安を抱えながらも、人は 一歩を踏み出すことができるのです。


“ 納得感 ”のある関係ってどんなもの?

納得感のある関係には、いくつかの共通点があります。

たとえば──

  • 自分の気持ちを話せる安心感がある
  • 相手が“ 完璧 ”じゃなくても、“ 誠実に向き合ってくれている” と感じる
  • ケンカをしても「話し合い」ができる
  • 一緒にいるとき、自分らしくいられる
  • 相手といる未来を想像したとき、ホッとする部分がある

どれか一つでも、「あ、これあるかも」と思えるなら、それは大きな強みです。

不安があってもいい。
でも、その不安を上回るだけの「安心材料」が、関係の中にあるかどうか
それが、“ 納得して進めるかどうか ”の鍵 になります。


不安に向き合うことで、“ 選び方 ”が自分のものになる

不安って、つい「なくしたいもの」「乗り越えるべき壁」だと思いがちです。

でも実は、不安には “自分が本当に大切にしたいこと” が隠れています。

たとえば──

  • 「この人と結婚して、私は幸せになれる?」と不安に思う
     → 本当は「自分の幸せ」をちゃんと大事にしたいと思っている証拠
  • 「価値観が合わない部分があって気になる」
     →「共通の価値観や、話し合える関係性」を重視している
  • 「相手の家族との関係が不安」
     →「結婚後の生活全体を見通す力がある」からこそ出てくる感情

不安を感じることそのものが、あなたの感性であり、大事な 人生のセンサー。
それを無視するのではなく、丁寧に見つめ直すことで、あなた自身の“ 選び方 ”が整ってくるのです。


「不安を抱えたまま進む」ことは弱さじゃない

結婚に限らず、人生に「100%の自信」を持てることって、ほとんどありません。

それでも、「今の自分なりに、納得して選んだ」という感覚があれば、迷いながらでも進める。
そしてその感覚は、結婚後に何かあったとき、自分を支えてくれる軸になります。

「どうせ決めるなら、確信がある状態で」
「ブレない自分でいたい」

そう思ってしまうのは自然なことです。
でも、迷っているからこそ、“ 本当に大事にしたいこと ”が見えてくることもあるんです。

▶ 次回予告:第3回「覚悟が決まらないとき、自分にできる3つのこと

〜“ 正解 ”を探すより、“ 後悔しない選び方 ”を自分でつくっていく〜

「なんとなく不安」「決めきれない」──
そんな気持ちのまま時間が過ぎていくと、焦りや自己否定に繋がることもあります。

でも、覚悟って 誰かに与えられるものでもなく、
自分の中で育てていけるものです。

次回は、覚悟が決まらないときに「自分にできる3つのこと」について、より実践的な視点からお伝えしていきます。
「納得して選びたい」と願うあなたのために、心の整理と前進をサポートするヒントをお届けします。