もう壊さなくていい。心でつながる関係を目指して〜「不器用な愛し方」を手放していくプロセス〜
この連載を読んでくださったあなたは、
きっと今まで、一生懸命に人を愛してきた人だと思います。
ただ、その愛し方が少し不器用で、
うまく伝わらなかったり、相手との距離を縮めるどころか
逆に遠ざけてしまったこともあったのかもしれません。
でも、それは決してあなたが悪いわけではなく、
ただ「愛されたい」「わかってほしい」気持ちをうまく表現する方法を知らなかっただけ。
助産師として、心理カウンセラーとして、結婚カウンセラーとして、
私は数えきれないほどの、そんな “ やさしいけど不器用な人 ” たちと出会ってきました。
「わかってほしい」の裏にあるもの
シリーズの中で見てきたように、
怒りの裏には悲しみがあり、試し行為の裏には不安があり、
「察してほしい」の奥には、かつての痛みや傷がありました。
それらはすべて、
あなたが誰かとのつながりを大切にしたいと願ってきた証拠でもあります。
不器用な愛し方をやめるということは、自分を否定することではない
「もうこんなふうに愛するのをやめたい」
そう思う気持ちは、きっともう十分苦しんできたから。
でも、それは「これまでのあなたを責めること」ではなく、
これからのあなたをもっと大切にするという選択です。
関係を壊さなくても、
自分の気持ちを伝えることができるようになる。
相手を責めなくても、寄り添いあえるようになる。
そんな関係は、誰にでも、今からでも育てていくことができます。
これから先も、大丈夫
このシリーズを読みながら、
「私もそうかもしれない」と思ってくださったあなたへ。
気づいた瞬間から、変化は始まっています。
たとえ完璧にできなくても大丈夫。
またつまずいても、戻ってきて大丈夫。
大切なのは、
これからのあなたが、これまでのあなたに寄り添ってあげられること。
それこそが、「心でつながる関係」の出発点なのだと思います。
あなたに最後の問いかけ
- これまであなたがしてきた「不器用な愛し方」は、どんなものでしたか?
- それは、どんな想いから生まれた行動だったのでしょうか?
- これからは、どんなふうに人とつながっていきたいですか?
まとめ:愛し方は、いつからでも変えられる
不器用だったことも、うまくできなかったことも、
そのすべてに意味があります。
でも、あなたはもう十分がんばってきました。
これからは、もっと自分にやさしく。
そして、心と心でつながる関係を、育んでいきましょう。
もし一人では難しいと感じたときは、
どうか、誰かを頼る勇気も忘れないでくださいね。
ひとりでは気づけない気持ちもあるから
この連載では、毎回「あなた自身に問いかけてみること」を大切にしてきました。
でも実際には、自分ひとりではその問いにうまく答えられなかったり、
何を感じているのかすら、よくわからなくなってしまうこともあると思います。
それは、あなたが弱いからではありません。
むしろ、ずっとがんばってきたからこそ、感情をしまい込むことが癖になっていたのかもしれません。
だからこそ、誰かと一緒に “ 気持ちを感じる時間 ” を持つことは、とても大きな力になります。
カウンセリングでは、
これまでうまくいかなかったパターンを一緒に見つめ直したり、
自分でも気づいていなかった “ ほんとうの気持ち ” に、ゆっくりと近づいていくお手伝いをしています。
「わかってもらえる」「話しても大丈夫なんだ」という安心感があるだけで、
あなたの中に眠っていたやさしさや、本当の望みが少しずつ顔を出しはじめます。
誰かと話すことで、気づけることがあります。
素直な気持ちが、言葉になっていく瞬間があります。
もし、これからのあなたの関係を変えていきたいと感じたなら、
どうかひとりで抱え込まず、カウンセリングという選択肢も思い出してみてください。
「うまくいかなかった愛し方」を手放し、
新しい愛し方へと進むために――。
その一歩を、あなたと一緒に歩いていけたら嬉しいです。