その怒り、本当に伝えたいことは何ですか?

※このコラムは「夫婦関係のモヤモヤに向き合う10のステップ― 傷つきや怒りの奥にある、本当の気持ちを知る時間 ―」
というテーマの10本連載の一つです。
すれ違いや寂しさ、言えない思いを抱えながらも、どうにかしたいと思うあなたへ。
カウンセラーである私自身の経験や、これまで出会った方々の声をもとに、
少しずつ心をほぐしていけるような時間をお届けします。
「また腹が立ってしまった…」そんな自分にうんざりしていませんか?
「なんで 私ばっかり」
「どうして わかってくれないの?」
「なんで そんな言い方するの?」
そんな怒りが、日々じわじわと心に溜まっていくことはありませんか?
怒っている自分にも疲れて、つい自己嫌悪に陥ったり、
「このままじゃダメなのに」と思いながらも、
どうしたらいいのかわからなくなってしまう。
そんなふうに、怒りのループに苦しんでいる方に、私はたくさん出会ってきました。
そして、かつての私自身も、そうでした。
怒りは「気づいてほしいサイン」
怒りという感情は、とても強くて、前に出てきやすいものです。
でも実はその奥には、「もっとわかってほしかった」「大事にしてほしかった」
そんな 本当の気持ち=傷つきやすい思い が隠れていることが多いのです。
たとえば、
- 「一人で家事も育児も抱えて、限界だったのに、気づいてくれなかった」
- 「疲れて帰ってきても、労いの言葉もなくて虚しかった」
- 「大切にされていないような気がして、悲しかった」
そんな心の声を、怒りは一生懸命、代弁してくれているのかもしれません。
よくよく考えてみると、あなたもこんな思いに気づいているのではないかと思います。
怒りの奥にある「本当の気持ち」に目を向けてみる
怒りが湧いてきたとき、すぐに相手に気持ちをぶつけるのではなく、
その奥にある気持ちをそっと見つめてみてほしいなと思います。
「私は本当は、何を感じていたんだろう?」
「私が本当に伝えたかったことって、なんだったんだろう?」
そうやって、自分の中の“本音”に気づいていくことが大切です。
自分の気持ちにちゃんと気づくこと、その気持ちを認めていくことで
怒りは少しずつ、少しずつ やわらいでいきます。
小さなステップ:まずは、怒りの前にあった感情を書き出してみる
おすすめなのは、ノートやスマホのメモなどに、
怒った出来事の直前の気持ちを振り返って書き出してみることです。
例:
- 「○○と言われてイラっとした」→その前に「寂しかった」「頼りたかった」
- 「無視されたように感じて怒った」→「認めてほしかった」「会話したかった」
そんなふうに整理していくと、少しずつ「私、本当はこう思っていたんだな」と気づけて、
自分自身の味方になれる感覚が育っていきます。

まとめ ― 怒りの奥に、あなたの大切な気持ちがある
怒りは、ただ爆発させるだけでは苦しいし、
抑え込むだけでも、自分を傷つけてしまいます。
その奥にある「ほんとうの気持ち」に出会うこと。
なかなか すぐにそれができない人も多いと思いますが、この向き合う時間はとても大事なものです。
それが、夫婦の対話の第一歩になることも多いからです。
まずは自分の感情にやさしく寄り添うことから、はじめてみませんか?
あなたは今、どんなことを感じていますか?
よかったら、あなたの思い、聞かせてください。
そして、夫婦関係に悩んだときには、ひとりで抱え込まず、できるだけ早めにご相談いただけたらと思います。
このコラムが、あなたご自身の気持ちにそっと寄り添い、
心を見つめるやさしいひとときにつながれば、嬉しく思います。
次回のテーマは「離婚の2文字がよぎるとき」です。
「もう無理かもしれない」と感じたときこそ、見つめたい“ 本心 ”について考えていきます。