【連載コラム1】第8回 離婚の2文字がよぎるとき

※このコラムは夫婦関係のモヤモヤに向き合う10のステップ― 傷つきや怒りの奥にある、本当の気持ちを知る時間 ―」というテーマの10本連載の一つです。

すれ違いや寂しさ、言えない思いを抱えながらも、どうにかしたいと思うあなたへ。
カウンセラーである私自身の経験や、これまで出会った方々の声をもとに、少しずつ心をほぐしていけるような時間をお届けします。

「離婚」の2文字が、ふと浮かぶとき―その「限界」の奥にある、あなたの本当の声とは?

「こんな夫婦関係なら、いっそ終わらせたほうが楽なのかもしれない」
「このままずっと 我慢を続けていくのだろうか…」
「“ 離婚 ”って、逃げなんだろうか、それとも解放なんだろうか…」

そんなふうに、頭の片隅に “ 離婚 ”の2文字がよぎったことのある方もいるのではないでしょうか。
私自身、そんなふうに思い悩んだ夜がありましたし、
これまでお話を伺ってきた方の中にも、心のどこかで「限界かもしれない」と感じていた方が少なくありません。

「もう無理かも」の奥にある気持ち

離婚がちらつくとき、私たちの心の中には、
怒りや疲れ、不満だけでなく、もっとずっと繊細な思いが眠っていることがあります。

それはたとえば――

  • 「大事にされたい」
  • 「心から安心したい」
  • 「もう少しだけ、わかり合いたかった」
  • 「ひとりになりたいけど、本当はさびしい」

あなたは、どんな思いがありそうですか?

離婚を考えること自体が悪いことではありません。
でも、むしろそれは「これまでずっと無理してがんばってきた自分」からのSOSなのだと思うのです。


選ぶ前に、「私はどうしたい?」を見つめてみる

大切なのは、「離婚するか、しないか」の二択で自分を追い込まないこと。
その前に、「私は本当は、どうしたいんだろう?」という問いを、
じっくりと心に投げかけてみてほしいのです。

「私は、何を手放したくて」
「何を本当は、取り戻したかったのか」

それを見つけることが、選択へのヒントになっていきます。

小さなヒント:心の声を “ ジャッジせずに ” 書き出す

おすすめなのは、「離婚」という言葉が浮かんだ時の気持ちを、紙やスマホに書き出してみること。
「怒ってるな」「疲れてるな」「もう頑張れないな」「さびしいな」――どんな気持ちでもOKです。
その時の本音を、否定せず、そのまま、ありのままの気持ちを言葉にしてみてください。

誰かに見せるものではなく、自分の “ こころのメモ ” として。
感情を文字にすることで、自分の気持ちにやさしく気づくことができます。

まとめ ― 迷っているあなたへ、伝えたいこと

「離婚」の二文字が頭をよぎるほどに、悩んで、苦しんできたあなたは、
ずっと、自分にしかわからない想いを抱えてきたのだと思います。
決して簡単な想いではなかったはずです。
そして、人には伝えられない、伝わらない想いがあると思います。

だからこそ、どうか、そんな自分を責めないでほしいです。

そして、選ぶ前に一度、立ち止まって、
「私は本当はどうしたいのか」
その声に、そっと耳をすませてみてください。

あなたは今、どんなことを感じていますか?

よかったら、あなたの思い、聞かせてください。
そして、夫婦関係に悩んだときには、ひとりで抱え込まず、できるだけ早めにご相談いただけたらと思います。

このコラムが、あなたご自身の気持ちにそっと寄り添い、
心を見つめるやさしいひとときにつながれば、嬉しく思います。

次回のテーマは「私はどうしたいのかを見つけるヒント」です。
「迷い」の中に光を見つけるための、やさしい自己対話の方法をお届けします。