
※このコラムは「夫婦関係のモヤモヤに向き合う10のステップ― 傷つきや怒りの奥にある、本当の気持ちを知る時間 ―」
というテーマの10本連載の一つです。
すれ違いや寂しさ、言えない思いを抱えながらも、どうにかしたいと思うあなたへ。
カウンセラーである私自身の経験や、これまで出会った方々の声をもとに、少しずつ心をほぐしていけるような時間をお届けします。
自分の気持ちにやさしく気づくために 「どうしたいのか、わからない」あなたへ
「もう疲れた」「今のままでは無理」
そう感じてはいるのに、
いざ「これからどうしたい?」と聞かれると、言葉に詰まってしまう…
相談者さんにもこういう方、とても多いです。
“ 何が嫌か ” ははっきりしているのに、“ どうしたいか ”がわからない。
でも、それって実は、とても自然なことです。
心が迷子になるのは、「がんばってきた証拠」
私たちは、これまでたくさん我慢して、気を遣って、
時には自分の気持ちよりも「うまくやること」「家族のため」を優先して生きてきましたね。
だからこそ、自分の「本当の気持ち」に触れる時間が少なかったのだと思います。
どうしたいのか、わからなくなってしまったのは、
あなたがずっと、人のためにがんばってきた証。
それは、あなたの優しさでもあり、強さでもあります。
「本音」は、いきなり見つけられなくても大丈夫
「自分はどうしたいのか」――この問いは、
すぐに答えを出すものではなく、少しずつ近づいていくものです。
たとえば、こう考えてみてください。
- 今の関係で「続けたいこと」はある?
- 「本当はやめたいこと」って、何?
- 「こうだったらいいな」と思う瞬間は、いつ?
どれか一つでも、ピンとくるものがあれば、それが「自分らしさ」のヒントです。
小さなヒント:「願い」に言いかえてみる
自分の気持ちに気づくためのシンプルな方法があります。
それは、ネガティブな感情を 「願い」に変換してみる こと。
たとえば…
- 「夫にイライラする」→「もっと尊重されたい」
- 「話を聞いてもらえなくて悲しい」→「もっと自分をわかってほしい」
- 「もう全部投げ出したい」→「休みたい、力を抜きたい」
この変換を通して、自分が何を大切にしているのかが少しずつ見えてきます。
まとめ ― あなたの心の奥に、耳をすませてみる
「私はどうしたいのか」
その答えは、きっとあなたの中にすでにあるけれど、
今はまだ静かに、奥のほうで眠っているだけなのかもしれません。
どうか焦らず、
そして、どんな気持ちが出てきても、それを否定せずに見つめてあげてください。
あなたの気持ちには、存在する価値があります。

あなたは今、どんなことを感じていますか?
よかったら、あなたの思い、聞かせてください。
そして、夫婦関係に悩んだときには、ひとりで抱え込まず、できるだけ早めにご相談いただけたらと思います。
このコラムが、あなたご自身の気持ちにそっと寄り添い、
心を見つめるやさしいひとときにつながれば、嬉しく思います。
次回のテーマは最終回「小さな一歩が関係を変えるとき」です。
大きな決断よりも、ほんの小さな「今できること」に目を向けてみませんか?