夫婦のバランスが崩れたときに必要な “ 視点の転換 ”

※この連載コラムは、夫婦関係に悩む「男性」のための10のステップです。
「最近、妻との関係がうまくいかない」「会話が減った」「何を言っても責められている気がする」——そんなモヤモヤを抱えていませんか?
男性は、家庭の中での“ 葛藤 ”を言葉にすることが難しい傾向があります。
友人にも相談しづらく、「なんとかしないと」と思っていても、自分の中で感情を整理する場所がないまま、心に溜め込んでいる方も多いです。
この連載では、夫として、人として、自分自身の内面に少しずつ目を向けながら、夫婦関係を見つめ直すヒントをお届けしていきます。
父親になってから、何かが変わった
子どもが生まれてから、パートナーとの関係がぎくしゃくし始めた…
そんな変化を感じている男性は、少なくありません。
- 妻が子ども優先になってしまった
- 自分の存在価値が薄れたように感じる
- 会話が減った、スキンシップも減った
- 頼られることは増えたのに、感謝されてる気がしない
「こんなはずじゃなかった」
そんな思いを抱きながらも、どうしたらいいかわからないまま日々が過ぎていく——。
でもこれって実は 「あるある」なこと。
父になっても「夫」であることは続いている
人は、環境が大きく変わると、自然と役割に引っ張られます。
子どもが生まれると、母親は「母」になり、父親は「父」になる。
そして、気づくと “ 夫婦 ” であることが後回しになってしまう。
でも、夫婦関係って、ほったらかしていたら自然に戻るものではありません。
意識的に「夫」として関わる時間や 姿勢がないと、どんどん関係が冷えていってしまうのです。
妻の変化は「あなたが嫌いになった」からではない
「子どもが生まれてから、急に冷たくなった」
「前みたいに笑わなくなった」
そう感じると、「自分が嫌われてるんじゃないか」と思ってしまう男性も多いです。
でも、多くの場合、それはあなた個人への否定ではなく、余裕のなさや役割の変化によるもの。
ただ、妻の中では 優先順位が変わっただけのことなんです。
そしてそれは、母として懸命にやっている証拠でもあるのですが、どこか虚しくなりますよね…
「家族の中での自分の立ち位置」を問い直す
でも、ここでひとつ考えてみてほしいのは、
あなたが「父」としてだけでなく、「夫」としてどう在りたいか。
・自分はどんなふうにパートナーと関わっていたいのか
・何を求め、どんな関係性を築きたいのか
・今のスタンスは、理想の関係に近づいているか
子どもが生まれる前と同じ関係をそのまま維持するのは、正直むずかしいことです。
でも、変わったなりに “ 新しい関係性 ” を育てていくことはできるはずです。
「夫婦関係は後回し」になってない?
育児や家事のことで頭がいっぱいなときほど、
夫婦の会話や触れ合いは、つい後回しになります。
でも、それが続くと、知らず知らずのうちに心の距離は遠ざかっていきます。
「子どもが落ち着いたらまた仲良くなれる」と思っていても、
数年後、そこに待っているのは “ 会話の少ない同居人 ” のような関係だったりします。
だからこそ、そうなる前に、気づいてほしいです。
小さなことでもいいから、夫婦で向き合う時間やコミュニケーションを意識的に作ってみることが大切です。
「自分は今、“ 父 ”としてばかり生きていないか? “ 夫 ”としての時間や姿勢はあるか?」
そう ご自身に問いかけて見ていただきたいです。
役割が増えた今こそ、“夫婦”を意識するタイミング
子育て期は、人生の中でもとくに忙しくて余裕がない時期。
でもそんなときこそ、意識的に「夫婦」を保つことが大切なんです。
ここにもコツがあります。
あなたが「父」であると同時に、「夫」としての在り方も忘れないようにすると、
パートナーも「ああ、私は “ 母 ” だけじゃなくて “ 妻 ”として見られている」と感じるようになります。
夫婦関係って、お互いの“ 役割 ”のその先にある「人と人」としての関わりですから、
その視点を取り戻せたとき、
“ 家族として ”だけではない、“ ふたりの関係 ” が少しずつ再構築されていくはずです。

あなたは、どんなことを感じましたか?
よかったら、あなたの思い 聞かせてください。
頭の中を整理するように、自分の感情を棚卸ししてみるだけでも、気づきが生まれることがあります。
ムリに正解を出そうとせず、今の “ 自分の声 ” に少しでも耳を傾けてみてくださいね。
▶︎次回予告|STEP7:「セックスレス」という言葉を避けてきた
日常の中で、「性の話」についてどこでどう切り出したらいいのかわからない、という人もいるのではないでしょうか。