
※このコラムは「夫婦関係のモヤモヤに向き合う10のステップ― 傷つきや怒りの奥にある、本当の気持ちを知る時間 ―」というテーマの10本連載の一つです。
すれ違いや寂しさ、言えない思いを抱えながらも、どうにかしたいと思うあなたへ。
カウンセラーである私自身の経験や、これまで出会った方々の声をもとに、少しずつ心をほぐしていけるような時間をお届けします。
~気づいてもらえない 寂しさの奥にある思い~
「私のことなんて、もうどうでもいいのかな」
「何を話しても、上の空。まるで “空気” みたいに扱われている気がする」
そんなふうに、夫の無関心に 心を痛めているあなたへ。
言葉にすれば些細なことかもしれない。
でも、その積み重ねは、確実にあなたの心に「虚しさ」や「寂しさ」を残していきますよね…
以前はもっと話してくれたし、笑ってくれたし、気にかけてくれた。
でもそれが、ある日を境に少しずつ減っていき、やがて当たり前のように無関心になっていく…。
そうなると、自分の存在意義すら見えなくなってしまい どんどん苦しくなっていく…
「無関心」の裏にあるもの
夫があなたに興味がなくなった。愛が冷めた。
そう思いたくなる気持ち、すごくよくわかります。
でも実は、「無関心に見える行動」の裏には、さまざまな背景があるのも事実です。
たとえば…
- 仕事や人間関係のストレスで心が疲れている
- 自分の気持ちを表現するのが苦手(元々の性格)
- 「言わなくてもわかるだろう」と思っている
- 家庭では安心して力を抜いている(=手を抜いているように見える)
ただ、どれも無関心を正当化する理由にはなりません。
でも、これらの背景に気づかずに「冷たい」「興味がないんだ」と受け取ってしまうと、
誤解がどんどん深まってしまうことがあります。
「無関心」ではなく、もしかしたら 「不器用さ」や「疲弊」かもしれない…
そんなふうに少しだけ視点を変えてみてはいかがでしょうか? 何か違ったものが見えてくるかもしれません。
「わかってもらえない」のではなく「伝わっていない」のかも
夫に対して「なんで気づいてくれないの?」「なんでわかってくれないの?」と思うこと、ありますよね。
でも、「わかってくれない=愛されてない」ではないのも事実。
多くの場合、「伝わっていないだけ」ということも多いのです。
たとえば あなたが悲しんでいても、夫は「機嫌が悪いのかな」「今日は疲れているのかも」程度にしか思っていないこともあります。
残念だけど、あなたが「かまってほしい」「気にかけてほしい」と感じていることに気づいていない、ということだって、よくあります。
夫も同じ人間。エスパーではないんですよね。
でも、日常を一緒に過ごしていると、つい「わかってよ!」と思ってしまうもの。
だからこそ、ほんの少し勇気を出して、自分の気持ちを伝えることも大切です。
「なんでわかってくれないの!」と責めるよりも、「私、こう感じてるんだ」と、自分の気持ちにフォーカスして伝える。
すると相手の受け取り方も、ぐっと変わってくることがあります。
小さな“声”を出してみよう
無関心に傷つくと、だんだんと心を閉じたくなってしまいます。
「どうせ言っても無駄」「期待してもがっかりするだけ」——そう思って、黙ってしまう。
でも、心を閉ざしてしまうと、ますます相手はあなたの気持ちに気づけなくなってしまいます。
だからこそ、ほんの小さな一言でも、自分の気持ちを言葉にすることから始めてみてほしいなと思います。
- 「今日ちょっと寂しかったな」
- 「あなたに〇〇って言ってもらえると、私はすごく嬉しいんだ」
- 「実は、最近ちょっとつらかったの」
こうやって 頑張って伝えても、すぐに相手の反応が変わることはないかもしれません。
でも、小さな“声”を積み重ねることで、すこしずつ関係の空気が変わっていく可能性があります。

あなたはどう感じましたか?
夫の無関心は、決してあなたの価値を否定するものではありません。
あなたの声が届いていないだけかもしれない。
そして、夫もまた、何かに押しつぶされそうな毎日を送っているのかもしれません。
「わかってほしい」気持ちを閉じ込める前に、少しだけ勇気を出して伝えてみる。
それは、関係を深めていくための大切な第一歩になるはずです。
これまであなたは、パートナーのどんな“無関心”に傷ついてきましたか?
そして、それを伝えられずにいるとしたら、どんな気持ちがそこにありますか?
その気持ちこそが、あなたの大切な願いなのかもしれません。
よかったら、あなたの思い、聞かせてください。
そして、夫婦関係に悩んだときには、ひとりで抱え込まず、できるだけ早めにご相談いただけたらと思います。
このコラムが、あなたご自身の気持ちにそっと寄り添い、
心を見つめるやさしいひとときにつながれば、嬉しく思います。
次回は、「自分ばかり我慢している気がするとき」をテーマにお届けします。