【連載コラム1】第3回 自分ばかり我慢している気がするとき

自分ばかり我慢している気がするとき

※このコラムは夫婦関係のモヤモヤに向き合う10のステップ― 傷つきや怒りの奥にある、本当の気持ちを知る時間 ―」というテーマの10本連載の一つです。
すれ違いや寂しさ、言えない思いを抱えながらも、どうにかしたいと思うあなたへ。
カウンセラーである私自身の経験や、これまで出会った方々の声をもとに、少しずつ心をほぐしていけるような時間をお届けします。

「私ばっかり…」その思いに、まずは「うんうん」とうなずいてあげて

ふとした瞬間に、「なんで私ばっかり…」と感じたこと、ありませんか?
家事に育児、気遣いや感情のコントロール。
気づけば、相手のペースや機嫌に合わせてばかりで、自分のことはいつも後回し

私自身も、かつてそうでした。
相手のために良かれと思ってやっていたことが、
いつの間にか「我慢」に変わっていて、気づいたら心が疲れ切ってしまっている…

でも、それってあなたが弱いからでも、我慢が足りないからでもありません。

どうして“私ばかり”になってしまうの?

人は誰でも、愛されたい、認められたいという思いを持っています。
そのために、自分のニーズを後回しにして、
「こうしておけば嫌われない」「波風立てずにすむ」と無意識に振る舞ってしまうことがあります。

特に、優しい人や空気を読める人ほど、
“ 関係を壊さないため ” に、自分を抑える傾向が強くなりがちです。

でも、それが続くとどうなるかというと
自分自身がどんどん見えなくなってしまうんです。


そして、理解してもらえないこと、気づいてもらえないことが続いた結果、
「どうして私だけが…」という思いがふくらんでいくのです。

本当は、あなたの感情にも居場所がある

そんなあなたに、ここで少し立ち止まって、感じてみてほしいのです。
「我慢してきた自分」は、どんな気持ちを持っていたでしょうか。

寂しさ?
悔しさ?
報われなさ?
それとも、期待していたけれど叶わなかった悲しさでしょうか?

それに気づくことが、とても大切な第一歩です。
あなたの感情にも、ちゃんと居場所がある。
気づかれなくていい感情なんて、一つもありません。

今日からできる、ほんの少しの「やめてみる」

大きく変えようとしなくて大丈夫。
むしろ、小さな「やめる」を意識するだけでも、関係の空気が変わってきます。

  • 無理に笑顔で返すのを、今日はやめてみる
  • 「いいよ」と言いたくない時は、「少し考えるね」と返してみる
  • 「わかってほしかったな」と、自分の中でつぶやいてみる

これは自己中心ではなく、「自分を大切にする」一歩です。
自分を尊重することは、相手を責めることとは違います。
むしろ、相手との関係を健やかに保つための“土台”になります。

さいごに 〜 あなたの「本当の声」を忘れないで 〜

あなたが感じている「自分ばかり我慢している」という思い。
それは、あなたの心が「そろそろ限界だよ」「もっと大切にしてあげて」と
知らせてくれているサインかも
しれません。

我慢してきた時間が長い人ほど、自分の感情に気づくのは怖いかもしれません。
でも、大丈夫。あなたはちゃんと、自分の気持ちに向き合う力を持っています。

少しずつ、自分の本当の声に耳を澄ませていけますように。

あなたは、今どんなことを感じていますか?
よかったら、あなたの思い、聞かせてください。
そして、夫婦関係に悩んだときには、ひとりで抱え込まず、できるだけ早めにご相談いただけたらと思います。

このコラムが、あなたご自身の気持ちにそっと寄り添い、
心を見つめるやさしいひとときにつながれば、嬉しく思います。

次回のテーマは「セックスレス問題をどう考える?」です。
夫婦の心の距離と身体の距離。その繋がりについて、そっとひもといていきます。