
感情が爆発する前にできること
〜「こんなはずじゃなかった…!」そのイライラの奥にある本音〜
※このコラムは「夫婦関係のモヤモヤに向き合う10のステップ― 傷つきや怒りの奥にある、本当の気持ちを知る時間 ―」というテーマの10本連載の一つです。
すれ違いや寂しさ、言えない思いを抱えながらも、どうにかしたいと思うあなたへ。
カウンセラーである私自身の経験や、これまで出会った方々の声をもとに、少しずつ心をほぐしていけるような時間をお届けします。
「わかってくれない!」その一言で、空気が凍りついた夜
「もう限界!って言いたくなること、ありませんか?」
私自身、かつて夫とのやりとりで
何度も感情を爆発させてしまった経験があります。
本当は冷静に話したいのに、
どうしても感情が先に出てしまう。
「なんで私ばっかり…」「ちゃんとしてって言ってるだけなのに…」
そんな思いがぐるぐると渦巻いて、
怒りや涙となってあふれてしまう… ほんと辛く苦しい時間です。
そして、後から「言い過ぎたかな」と後悔するけれど、
謝るタイミングも逃してしまって、
またぎこちない空気が続く――
そういう方は、きっと私だけじゃないはずです。
怒りの奥にある、本当の気持ちとは?
怒りやイライラは、決して “ 悪い感情 ” ではありません。
むしろ、それは「わかってほしい」「助けてほしい」「認めてほしい」という、
大切な気持ちが守られなかった時に生まれる 自然な反応です。
たとえば、
- 自分ばかり頑張っているのに、感謝されない
- 言いたいことを我慢してきたのに、軽く流された
- 寂しさや不安を伝えたのに、真剣に向き合ってくれない
こうした積み重ねが、心の奥に “ 悲しみ ” や “ 孤独 ” としてたまっていきます。
でも、それをうまく言葉にできないから、代わりに 「怒り」として噴き出してしまう のです。
「感情に気づく力」は、あなたを守る味方になる
感情があふれそうになった時、
つい「相手が悪い」と思いたくなるかもしれません。
でも、まずは自分の感情に気づくこと。
それが、心を守る第一歩になります。
「私、いますごく悔しかったんだ」
「ほんとは、わかってほしかっただけなんだ」
「頑張ってるって、誰かに言ってもらいたかったんだ」
そんなふうに、自分で自分の感情を言葉にできるようになると、
少しずつ、怒りをぶつけるのではなく “ 伝える ” ことができるようになっていきます。
今日からできる、小さなステップ
怒りを我慢し続けるのでもなく、
ぶつけてしまうのでもなく、
“ 適切に伝える ” ためのヒントをいくつかご紹介しますね。
◎ ステップ1:まずは感情に名前をつけてみる
「いま、私は●●な気持ちなんだな」と、認めてあげること。
怒りの奥には、必ず別の感情があります。その感情に気づいてあげることが大切です。
◎ ステップ2:すぐに話さなくてOK。いったん深呼吸
「今は冷静に話せなさそう」と思ったら、時間を置く勇気も大切です。
「少し落ち着いてから話そう」と伝えるだけでも、未来は変わってきますよ。
◎ ステップ3:「どうしてほしかったか」を自分に問いかける
怒ったときは、「相手にどうしてほしかったか?」を自分に聞いてみましょう。
その答えこそが、あなたの本音であり、伝えるべき大事なことかもしれません。
あなたの感情は、大切な“知らせ”
感情は、あなた自身を守るセンサーのようなもの。
だからこそ、無理に抑え込む必要もないし、
ただ爆発させて終わりにするのでももったいない。
怒りや悲しみの奥には、
あなたが大切にしたい想いが、ちゃんとある。
その気持ちを置き去りにしないであげること。
それが、自分自身を大切にするということなのかもしれません。

あなたは、今 どんなことを感じていますか?
よかったら、あなたの思い、聞かせてください。
そして、夫婦関係に悩んだときには、ひとりで抱え込まず、できるだけ早めにご相談いただけたらと思います。
このコラムが、あなたご自身の気持ちにそっと寄り添い、
心を見つめるやさしいひとときにつながれば、嬉しく思います。
次回のテーマは「子どもを通してしか話せなくなった二人」です。
子どもを通してしか会話ができない自分たちに気づいたとき、夫婦の絆を取り戻すための第一歩が見えてくるかもしれません。