“ 我慢 = 愛 ” という誤解を手放す

※このコラムは、『男として、夫として。夫婦関係のモヤモヤに向き合う10のステップ』 と題して、
日々の中で “ なんとなくうまくいかない ” と感じている男性たちが、
自分の内面と向き合いながら、パートナーとの関係を見つめ直していくプロセスを10本のステップでお届けしています。
感情の扱いが苦手でも、頭で整理しながら読める構成です。
「正解がない関係」に、どう向き合えばいいのか?
一緒に “ 心の棚卸し ” をしながら進めていきましょう。
自分ばかり、我慢してる気がする…
「なんで俺ばっかり…」
「言いたいことがあっても、言えないし…」
「こっちだって我慢してるのに、分かってもらえない!!」
そんなふうに感じること、ありませんか?
でも、いざ「何を我慢してるのか?」と問われると、
うまく言葉にできない。
それでも、心のどこかでは「このままじゃまずい」と感じている。
我慢は、自分の感情に “ フタ ” をする行為です。
一時的にはうまくやれているように見えるかもしれませんが、
フタをし続ければ、いずれ心が壊れてしまう。
最終的に、夫婦関係も、自分自身も、静かに摩耗していきます。
“ 我慢 = 愛 ”という思い込み
多くの男性は、こう教えられて育ってきたのではないでしょうか。
- 男は強くあるべき
- 感情的になるのはみっともない
- 自分のことより、家族を優先すべき
だから、「自分の気持ちを伝えること」は、
“ 弱音 ”や “ わがまま ”のように思えてしまい、
「何も言わずに我慢すること」を“ 愛情 ” や “ 責任感 ” のように感じてしまう。
でも、それは愛のかたちではなく、自己犠牲かもしれません。
我慢の上に築いた関係性は、どこか不自然で、居心地が悪くなるものです。
我慢をやめる=自己中心ではない
ここで一つ、誤解を解いておきたいことがあります。
「我慢を手放す」ことは、自己中心的になることではありません。
むしろ、「自分の気持ちを大切にする」こと。
自分の中のモヤモヤにちゃんと目を向けて、
「こうしてほしい」「こう感じている」と伝えることも大事なことです。
我慢を続ける夫婦関係より、
率直な気持ちを交換し合える関係の方が、ずっと健全だと思いませんか?
その方が、信頼も絆も深まりやすくなります。
我慢している “ 本当の理由 ” とは?
あなたが我慢してしまうのは、
もしかすると「嫌われたくない」「関係を壊したくない」という不安かもしれません。
あるいは、「何を言っても変わらない」と、あきらめているのかもしれない。
我慢しているとき、人は “ 本音を封じ込めて ” います。
でも、その本音こそ、あなたらしさの源です。
少し勇気を出して、「本当はどうしたいのか?」を見つめることが、
夫婦関係を立て直す第一歩になります。
「本当は、どんな自分でいたいと思っている?」
ぜひ、そう問いかけて、ゆっくりご自身の中から出てくる答えをみてみてください。

このコラムを通して願っていること
誰かのためにと、自分の気持ちを抑え込むことが習慣になってしまったあなたへ。
あなたの感情も、あなた自身も、ちゃんと大切にしていいんです。
男性だからとか、夫だからとか 言わず、ちゃんと自分の気持ちに正直にいてください。
もしあなたが「自分ばかり我慢している」と感じているなら、
今が “ 関係のあり方を見直すチャンス ” かもしれません。
このコラムが、少しずつあなたの「自分の軸」を取り戻していくきっかけになれば嬉しいです。
あなたは今、どんなことを感じていますか?
もし、胸に引っかかる何かがあったら、
それは大事な「心のサイン」かもしれません。
よかったら、あなたの思い、聞かせてください。
この場所では、否定も批判もありません。
安心して、少しずつ気持ちを言葉にしていける場で在りたいと願っています。
▶ 次回予告|STEP5:相手を変えたい、でも変わらない
「なんで分かってくれないんだ…」と感じたとき。
本当に “ 変えるべきもの ” は、自分かもしれない。