【連載コラム2】STEP5 相手を変えたい、でも変わらない

変えられるのは “ 相手 ” より “ 自分のスタンス”

※この連載コラムは、夫婦関係に悩む男性のための10のステップです。
「最近、妻との関係がうまくいかない」「会話が減った」「何を言っても責められている気がする」——そんなモヤモヤを抱えていませんか?

男性は、家庭の中での“葛藤”を言葉にすることが難しい傾向があります。
友人にも相談しづらく、「なんとかしないと」と思っていても、自分の中で感情を整理する場所がないまま、心に溜め込んでいる方も多いようです。

この連載では、夫として、人として、自分自身の内面に少しずつ目を向けながら、夫婦関係を見つめ直すヒントをお届けしていきます。


「どうしてあの人は変わってくれないんだ…」

  • もっと感謝してくれてもいいのに
  • 少しは思いやってくれてもいいのに
  • 俺の大変さを理解してくれてもいいのに

そんなふうに、「相手に変わってほしい」と思ったことはありませんか?

このコラムを読んでくださっている方なら、きっとあるのではないかと思います。
でも、多くの場合、変わらない現実があったのではないでしょうか。
何を言っても、伝わらない。
こちらが我慢して譲っても、返ってくるのは無言か、期待外れのリアクションだったりする。

そのたびに、心のどこかで「もう無理かもしれない」と感じてしまう・・・
そんな虚しさをお持ちの男性は多いと思います。


相手を変えたい気持ちは「希望」の裏返し

でも、少しだけ立ち止まってみましょう。
あなたが「変わってほしい」と思うのは、
まだその関係に “ 期待している ” 証でもあるんです。

  • 諦めていない
  • 本当はうまくやりたいと思っている
  • 関係を修復できる可能性を探している

だからこそ、“変わってくれない”ことが、余計にしんどい。
でも、そこでひとつ大切な視点があります。


「変えられる人」と「変えられない人」

夫婦関係がこじれていくとき、
多くの人が “ 変えられないもの ” にエネルギーを注ぎ続けています。

  • 相手の性格
  • 相手の言動
  • 相手の思考パターン

残念ながら、これらを直接変えることはできません。
どんなに言葉を尽くしても、本人が「変わろう」としない限り、変わりません。

では、何が変えられるのか?

それは「自分のスタンス」と「関わり方」です。
これは私が夫婦カウンセリングをするとき、いつも双方にお伝えしている 大事な視点です。


無意識にやっている “ 攻撃 ”や “ 無視 ”

自分では冷静に伝えているつもりでも、
相手にとっては「責められている」と感じることがあります。
あるいは、無反応でいることで、知らず知らず “ 無視 ” になっていることもある。

・不機嫌な沈黙
・チクリとした言葉
・察してほしい態度
・ハーッとつくため息

それは、「変わってほしい」という願いが歪んで表現されてしまったものかもしれません。
まずは、自分の言動の中にある “ 攻撃 ” や “ 無視 ”に気づくことから始めてみましょう。


スタンスを変えると、空気が変わる

相手を変えようとするのではなく、
「自分の伝え方」「関わり方」「心の持ち方」を少しだけ変えてみること。

たとえば…

  • 「ちゃんと話を聞く」姿勢を見せる
  • 「こうしてくれたら嬉しい」と気持ちを添えて伝える
  • 「自分がどうしたいのか」をハッキリさせる

すると、不思議なことに、相手の反応が少しずつ変わり始めることがあります。
これは “ 支配 ” ではなく、“ 影響 ”の力です。

「自分が無意識にやっていまっている “ 攻撃 ” や “ 無視 ”はないかな?」
そう問いかけてみてください。

このコラムを通して願っていること

夫婦関係が行き詰まっているとき、
「相手が悪い」「相手が変わってくれれば…」と思ってしまうのは当然です。
相手に責任を負わせる方がとても楽だからです。

でも、相手を変えようとするのではなく、自分のスタンスを見直してみると、
それだけで関係が変わり始めることがあるんです。

完璧である必要はありません。
ほんの少し、自分の意識を変えてみるだけでも、空気は動き始めます。

その小さな一歩が、あなたとパートナーの関係に、新しい風を吹き込むきっかけになるかもしれません。

あなたは今、どんなことを感じましたか?

「このままでいいのかな…」と感じているとしたら、
それは、あなたの中にある“関係を良くしたい”という優しさのサインです。
その気持ち、どうか否定せずに、大事にしてみてください。

よかったら、あなたの思い、聞かせてください。
一緒に考えていきましょう。


▶ 次回予告|STEP6:子どもがいると夫婦関係が変わるのは当然?

「父親としての自分」と「夫としての自分」。
その両立は、“ 視点の転換 ” から始まる。