「やっているつもり」と「やってもらってない感」のすれ違い

※このコラムは、『男として、夫として。夫婦関係のモヤモヤに向き合う10のステップ』
というテーマでお届けしている連載です。
“正解のない関係性”に悩む男性たちが、
孤独を越え、自分の軸とパートナーとの絆を取り戻していくための“心の棚卸し”をしていくプロセス。ひとつずつ、あなたのペースで読み進めてみてくださいね。
「家事・育児の分担」がうまくいかない根本的な理由とは?
「俺もちゃんとやってるんだけどな」
「そんなに文句言われるほど、何もしてないわけじゃないのに…」
そう思ったことはありませんか?
家事や育児の分担をめぐる夫婦のすれ違いには、単なる “ 量 ” の問題だけでなく、
“ 見え方 ” “ 伝わり方 ” “ 感じ方 ”といった 目に見えない認知のズレ が深く関わっています。
「やってる」と「やってもらってない感」のすれ違い
たとえば――
- ゴミ出しを毎朝やっている(自分としては貢献しているつもり)
- でもパートナーは、「なんで私がいつも中身をまとめて袋を結んでるの?」と感じている
あるいは、
- 「言われなくても気づいて動いてよ」と思われていることに、そもそも気づけていない
- 「これぐらいは気を利かせてほしい」という “ 名もなき期待 ” が積もっている
つまり、“やった/やってない”の話ではなく、相手に「どう感じられているか」が分担の本質なのです。
問題は「分担」ではなく「関係性」にある
家事・育児の「分担」と聞くと、「フェアに分ける」「比率を整える」といったイメージが浮かぶかもしれませんが、実際には、タスクの量よりも、“ どう協力し合えているか ”という関係性の感覚 のほうがとっても重要です。
- 「ありがとう」が あるかどうか
- 「気づいてくれてる」と感じられるかどうか
- 「自分ばかりが背負っている」と思わせていないか
関係性がうまくいっていれば、少し負担が偏っていたとしても不満は出にくくなります。
逆に、関係性がこじれていれば、完璧に分担していてもどこかで摩擦が生じます。
「気づける力」が、夫婦関係を変えていく
一方的に責められているように感じると、つい防衛的になってしまうかもしれません。
でも、ここで少し立ち止まって考えてみてください。
- 相手の言い分に「理屈」ではなく「感情」が含まれているとしたら?
- 「何が不満か」ではなく、「どこで孤独を感じているのか」に目を向けてみたら?
家事や育児の分担をめぐるやり取りの中には、
「あなたが私に関心を持ってくれているか?」という問いかけが隠れていることがあります。
相手の立場を想像し、気づこうとする力は、
これからの夫婦関係を育てていく大きな財産になります。

このステップで目指すこと
このステップで大切にしたいのは、
「自分なりにやっている」という視点だけでなく、「相手がどう感じているか」に意識を向けること。
“ 評価されたい ”と思う気持ちは 決して悪いことではありません。
でも、“ 認め合いたい ” という本音に立ち返ることで、関係性は少しずつ柔らかくなっていきます。
あなたは今、どんなことを感じていますか?
- 自分のやってきたことが、うまく伝わっていないと感じた瞬間はありましたか?
- パートナーは、どこに負担や孤独を感じていると思いますか?
- 感謝されたい気持ちと、感謝を伝える余白。あなたの中にどちらがありますか?
よかったら、あなたの思い、聞かせてください。
このコラムを通して、
“正しくやってるか”よりも、“ちゃんと向き合えているか”を大切にできる関係性を育むきっかけに繋がればと願っています。
▶︎次回予告 STEP9 なぜ「責められている」と感じるのか?
何気ない一言や視線に、「責められている気がする」のはなぜ?
そこには、自分でも気づかない“心の前提”が隠れているかもしれません。