【連載コラム2】STEP9|なぜ責められていると感じるのか?

「非難」と「お願い」を区別できるようになる



※この連載は、『男として、夫として。夫婦関係のモヤモヤに向き合う10のステップ』
をテーマに、パートナーとの関係に悩んだときに、自分の内側を見つめ直すヒントをお届けしています。

日常のすれ違いや衝突の中にある「本音」と「傷つきやすさ」。
それを丁寧に見つめていくことで、パートナーとの関係が変わっていく——
そんな体験をあなたにもしてほしいと願っています。


パートナーの言葉が「責め」に聞こえるとき

たとえば、パートナーにこう言われたとします。

「靴下、また脱ぎっぱなしだよ」
「子どもが 寝た後は少し静かにして」
「話してるときはスマホ見ないでよ」

このとき、あなたの心に浮かぶ感情は何でしょう?

  • イラッとする
  • うるさいな、と思う
  • また責められてる、と感じる
  • 「やってるのに」「そんな言い方しなくても」と反発したくなる

…そんなふうに感じたことがあるなら、
それは 「非難」と「お願い」の区別が曖昧になっているサインかもしれません。


なぜ「お願い」が「非難」に聞こえてしまうのか?

パートナーの言葉が “ 指摘 ”や “ 攻撃 ” に感じられてしまうとき、
そこにはいくつかの背景があります。

  • 疲れているときや余裕がないとき
  • 自分なりに頑張っていると思っているとき
  • 過去にも同じことで責められた記憶があるとき
  • 自分自身にうっすらと「後ろめたさ」があるとき

すると、たとえ相手が穏やかに伝えたつもりでも、
「また責められてる」「ダメ出しされた」と感じてしまい、
素直に受け取ることが難しくなります。


「非難」と「お願い」はどう違う?

一見、似たような言葉でも、「非難」と「お願い」には大きな違いがあります。

たとえば、
「なんでいつも手伝ってくれないの?」は 非難。
「一緒に片づけてもらえると助かるな」は お願い。

でも、受け取る側の “ 心の余白 ” がないと、お願いすら 非難に聞こえてしまう
これが夫婦のコミュニケーションを難しくしている原因のひとつ かなと思います。


「責められている」と感じたときにできること

「また責められてる」と感じたら、反射的に反論したり黙り込んだりする前に、
まずはこんなふうに自分に問いかけてみてください。

  • これは非難? それともお願い?
  • 本当に責めているような口調だった?
  • どんな気持ちが動いた?
  • 過去の記憶や、思い込みが反応していない?

この問いかけを習慣にしていくことで、
パートナーの言葉をもう少しフラットに受け取る力が育っていきます。


「お願い」に込められた気持ちに目を向ける

たとえ伝え方が少し強くなっていたとしても、
その言葉の裏には 「こうしてくれたら嬉しい」という気持ちや、ささやかな願い が隠れているかもしれません。

  • 一緒にやってほしい
  • 自分の存在にも気づいてほしい
  • 話を聞いてほしい
  • 心地よく過ごしたい

そんな「お願い」に目を向けられるようになると、
パートナーの言葉が、少しだけ優しく聞こえるようになるかもしれません。


あなたは、どんなふうに受け取っていましたか?

  • パートナーの言葉に、必要以上に反応してしまうときはどんなときですか?
  • 「お願い」と「非難」の違いに、気づけた場面はありますか?
  • 本当は、あなた自身も「うまくやっていきたい」と思っていませんか?

よかったら、あなたの思いを言葉にしてみてください。
誰かに話すことで、自分の “ 受け取り方のクセ ” に気づけることがあります。

このコラムを通して願っていること

あなたが「責められてる」と感じる場面に出会ったとき、
「これは非難?お願い?」と一歩引いて考えられるようになりますように。

そして、言葉の奥にある「伝えたいこと」を、
お互いに受け取れる関係に育っていきますように。

▶︎次回予告 STEP10 俺たちはまだやり直せる?(最終回)
関係の修復に希望はあるのか?
最終回では、「これから」を選び取るために必要な視点を一緒に探っていきます。