〜“違和感”はあなたの人生のセンサー。無視しないで、その意味を深掘りしよう〜

〜 “ 違和感 ” はあなたの人生のセンサー。無視しないで、その意味を深掘りしよう〜
婚活をしていて、こんな風に感じたことはありませんか?
「この人、条件は本当にいい。優しいし、安定した仕事にも就いているし、家庭的。でも……何かが引っかかる。将来の話をしてもワクワクしない。ふとした時に、気持ちがモヤモヤする。」
そんな時、よく聞こえてくるのはこんな言葉です。
「理想を追い求めすぎじゃない?」
「そんなに悪いところないんだから結婚しちゃえば?」
でもあなたの心は、きっとどこかで「うん、そうだよね」と思いながらも、納得できていないのではないでしょうか。
違和感は「あなたらしい人生」へのセンサー
私はこれまで、結婚相談所でのカウンセラーとして、また心理カウンセラー、助産師として、数えきれないほどの方と関わってきました。
その中で何度も目にしてきたのが、「条件に惹かれて結婚を決めたけれど、心の奥の違和感を無視してしまった」結果、後になって苦しむ人たちの姿でした。
違和感というのは、あなたの「本音」や「価値観」にズレが生じたときに発せられる、無意識からのサインです。
つまりそれは、あなたがあなたらしく生きるために備わったセンサーなんです。
条件が良い=一緒に幸せになれる、とは限らない
婚活市場では、年収、職業、学歴、家族構成といった「条件」がどうしても注目されがちです。
もちろん、生活を共にしていく上で現実的な視点は大事です。でも、「条件が良いから安心」では、本当の意味での満足や幸福感にはつながらないことが多いのです。
たとえば、ある女性の話。
彼女は年収1000万円の男性と成婚間近でした。とても誠実で、安定した生活を送らせてくれることが約束されていました。やっと家族にも安心させられる… そう思っていたけれど、でも、彼と一緒にいると、どこか自分が「演じている」感覚が拭えなかった。何を話しても、“ 本音を出せない ” 感じがしていたと言います。
周囲に相談しても、「そんなにいい人、なかなかいないよ」「気のせいでしょ」と言われ、彼女も一度は結婚を決意しました。でも、どうしても気持ちがついていかず、ギリギリで婚約を解消しました。
その後、彼女は時間をかけて自分の価値観を見つめ直し、本当に自然体でいられる人と出会い、結婚しました。今では、「当時の違和感を無視しなくてよかった」と語っています。
「違和感」は不安とは違う
ここで大切なのは、「違和感」と「不安」は似て非なるもの、ということです。
不安は、未来に対する漠然とした恐れや、過去の経験からくるトラウマによって生じることもあります。
でも「違和感」はもっと身体的、直感的なもの。言葉にしにくいけれど、「何かがしっくりこない」とき、心と体の感覚が教えてくれるんです。
たとえば、会っているときの呼吸の深さ。自然に笑えているか。別れ際、ほっとするのか、寂しいのか。それらは、あなたの“ 無意識 ” がキャッチしている重要なサインです。
「我慢して結婚した女性たち」のその後
助産師として、出産に立ち会ったり、産後の女性と関わる中で、私は何度も“ 結婚の決断 ” の影響を目の当たりにしてきました。
「ちゃんとした人だったから、親に勧められて結婚したんです。でも、子どもが生まれてから、彼との違いが浮き彫りになって、すごく孤独を感じてます」
「条件で選んだけど、本音を話せない関係が続いていて、もう何年も夫婦の会話がないんです」
違和感を無視した結婚は、“ 孤独を2人で味わう ” という結果を生んでしまうこともあります。
誰の人生でもない、「あなたの人生」を生きるために
大切なのは、「この人でいいのか」ではなく、「この人と一緒に歩いていきたいかどうか」。
不安がゼロである必要はありません。迷いながらでも、自分の気持ちとちゃんと向き合い続けること。そのプロセスこそが、納得感や覚悟につながっていきます。
「違和感」は悪者ではなく、あなたの人生のコンパスです。見ないふりをせず、その感覚を丁寧に受け止めていきましょう。

▶︎第2回:あなたの毎日は “ 治療中の一時的なもの ” じゃない
〜“絶対の自信”がなくても結婚できる。大切なのは“腹落ち”できるかどうか〜
違和感の正体に少しずつ気づけたら、次に出てくるのは「不安」との付き合い方。
「この不安は、やめた方がいいサイン?それとも乗り越えていいもの?」と迷う方も多いでしょう。
次回は、そうした“ 結婚前の不安 ”とどう向き合い、「納得感」や「腹落ち」をどう育てていくかをお伝えします。
あなたの決断に力を与えてくれる、“ 納得できる選び方 ”を一緒に探っていきましょう。