
「また何かあるんじゃないか」
「隠れてやりとりしてるかもしれない」
「証拠を見つけて安心したい」
そう思って、気づけばスマホ、SNS、パソコン、あらゆる履歴を確認してしまう。
それが習慣のようになり、自分でもやめたいと思っているのに、やめられない。
そして確認しても、見つからないと少しホッとしつつも、安心しきれない自分にまた落ち込む——。
こんな相談を、私はカウンセラーとして本当にたくさん受けてきました。
この記事では、「なぜやめられないのか?」という心理的メカニズムと、そこから少しずつ抜け出すための視点や工夫をお伝えします。
なぜ検索してしまうのか?〜 “ 安心 ” を取り戻そうとする心の働き〜
浮気や不倫という大きな裏切りを経験したとき、人は「この先もまた裏切られるかもしれない」という強い不安を抱きます。
この不安は、頭で「もう終わった」「信じたい」と思っていても、心や体は「危険が終わっていない」と感じているために起こる自然な反応です。
検索やチェックという行動は、「裏切られる前に気づきたい」「もう二度と傷つきたくない」という心の防衛反応。
自分を守るために必死に働いている証拠なのです。
ですから、まず大切なのは、「自分を責めないこと」。
その行動は、“ 心が壊れないように必死に頑張っている ” あなたの一部です。
「安心したいのに、安心できない」ループの正体
問題は、チェックを繰り返すことで、安心するどころか、逆に「安心できない自分」が強化されてしまうことです。
確認しても何も出てこなければ、「よかった」と思うはずなのに、「でも今日はないだけかも」「他に方法があるのかも」と、新たな不安が生まれてしまう。
これは、【安心=相手から与えられるもの】だと思っていると、終わりがなくなるからです。
本当に必要なのは、【安心=自分の内側から育てていくもの】だと気づくこと。
ここが、心の回復への転換点になります。
スマホやSNSチェックを減らすための小さな工夫
とはいえ、頭ではわかっていても、習慣化している行動を手放すのは簡単ではありません。
そんなとき、急に「やめる」のではなく、「一時停止してみる」ことを目指してみてください。
たとえば、こんな工夫があります:
- チェックしたくなったら、まず深呼吸を3回する
→ その場で反射的に動くことを防ぐ「間(ま)」を作ります。 - 検索する前に、自分にこう問いかけてみる
→ 「私は、安心を探してる?それとも怒りの理由を探してる?」 - 夜だけスマホを別の部屋に置く
→ 一日の中で「検索しない時間帯」をまず作る。 - 不安になったら誰かにメッセージを書く(送らなくてもいい)
→ 自分の中に溜まった感情を“出す”習慣を持つことで、検索欲求が和らぎます。
自分を責めすぎないための “気づきの問いかけ ”
疑ってしまう、責めてしまう、チェックしてしまう。
どれも、パートナーの裏切りがなければ、しなくて済んだはずのこと。
だからこそ、何よりもまず、「こんなふうに傷ついた自分がここにいる」ことに目を向けてほしいのです。
そして、こんな問いかけをしてみてください。
【今この瞬間、私は何が一番つらい?】
→ 怒り? 不安? 孤独? 情けなさ?
答えは1つじゃなくて大丈夫。書き出してみるのもおすすめです。
【この行動の奥には、どんな気持ちがある?】
→ 怒っているように見えて、実は「わかってほしい」だったり。
責めているように見えて、実は「見捨てないで」が隠れていたりします。
今の自分に優しくなれるワーク:
《不安をノートに置いてくるワーク》
- ノートや紙を用意し、今日感じた「不安」や「イライラ」「疑い」をぜんぶ書き出します。
- 書きながら「これは今、私が抱えてる感情なんだな」と眺めてみてください。
- 書き終わったら、紙を閉じる or くしゃっと丸めて捨てることで、「心の外に出す」感覚を育てていきます。
このワークは毎日続けることで、検索や確認に向かっていたエネルギーを、自分を癒す方に切り替えていく助けになります。

最後に
疑い続けてしまうのは、「本当は信じたい」からこそ。
でもその想いが、苦しみの形を取って表れているだけなのかもしれません。
今は、信じるかどうかを決める前に、
まず「傷ついた自分を少しでも安心させてあげること」から始めてみてください。
あなたが悪いのではありません。
苦しくなるほど、大切に思ってきた証です。
次回の第3回では、
「パートナーとの向き合い方〜『許す』でも『忘れる』でもない選択〜」をテーマにお届けします。
- 「許さないといけないの?」という疑問
- 関係を続けるか、距離を取るか悩んでいるときに考えるべきこと
- パートナーと話すべきこと、話さなくていいこと
- そして、自分を取り戻しながら信頼を築き直すステップ
「この先どうしたらいいのかわからない」
そんな迷いの中にいるあなたに、きっとヒントになる内容です。
どうぞ、ゆっくり読みにきてくださいね。