〜“ 正解 ”を探すより、“ 後悔しない選び方 ”を自分でつくっていく〜

もう少しで決められそう。でも、“ あと一歩 ” が踏み出せない…
「この人と結婚していいんだろうか」
「大きな問題があるわけじゃない。でも、心のどこかで決めきれない」
「何か起きた時、“やっぱりやめておけばよかった”って思ったらどうしよう」
そんな風に迷い続けてしまう方は、実はとても多いです。
頭ではわかっているのに、気持ちがついてこない。
理屈では問題ないのに、「何か」が引っかかって前に進めない。
結婚は人生の大きな選択。
だからこそ、「覚悟」が求められる場面でもありますよね。
でも、その“ 覚悟 ” って…そもそもどうやって育てるものなのでしょう?
今回は、結婚に迷っているとき、自分にできる3つの具体的なアプローチを、あるご相談者のエピソードとともにご紹介します。
事例:「幸せなはずなのに、決めきれない」30代女性のケース
30代後半のAさんは、3年間付き合ったパートナーからプロポーズを受けました。
優しくて誠実な彼。価値観も大きくズレていない。
周囲から見れば「何も迷う必要なんてないでしょ?」と思える関係です。
でもAさんの心は晴れませんでした。
彼に不満があるわけじゃない。
それでも「なんだか、ピンと来ない」「これでいいのかな…」というモヤモヤが、ずっと胸の奥に引っかかっていたのです。
彼に申し訳ない。
また自分の年齢のことも考えると、子どもだってほしい。もう結婚した方がいいとは思う。
でもまた一からの婚活は辛い・・・
でも、「何かが引っかかって決めきれない」のは、自分のわがまま?
──そんな迷いの中で、Aさんがカウンセリングに来てくださいました。
自分の“ 軸 ”を見つける。3つの問い直し
Aさんのように、「表面上は問題がないのに決めきれない」ときに有効なのが、“ 正解 ”を探すのではなく、“ 自分の軸 ” を掘り起こす視点です。
ここでは、迷ったときにできる3つの問い直し=「3つのこと」をご紹介します。
①「私は、どんな未来を望んでいるんだろう?」
「この人でいいのか」ではなく、まずは “ 自分が望んでいる未来 ” を考えてみること。
・どんな生活スタイルが理想?
・仕事とのバランスは?
・どんなパートナーシップを築きたい?
・人生のどんな価値観を大切にしたい?
Aさんはカウンセリングの中で、「私は、“ 安心できる家庭 ”が欲しいんだと思う」とぽつりと話してくれました。
それは、幼少期に家庭環境が不安定だった彼女にとって、とても大切にしたい “自分の軸 ”でした。
彼といるとき、それが満たされているかどうか
その問いを持つだけで、彼女の目の前に少しずつ “ 選びたい未来 ” が浮かび上がってきたのです。
②「今の自分のままで、この人と一緒にいられる?」
「この人が良い人か」よりも大切なのは、“ 自分が自分らしくいられるか ”です。
誰でも、いい顔をしてしまうことはあるし、相手に合わせようと頑張ってしまうこともある。
でも、結婚生活は長い道のりですし、生活でもあります。
ずっと “ 頑張った自分 ” をキープするのは、どこかで限界がきてしまいます。
Aさんも、ふとした瞬間に「彼の前では、ちょっと緊張してしまい、言いたくても言えない自分」がいることに気づきました。
それに気づけたことで、「じゃあ、私はどんな関係なら安心できるの?」という問いが生まれました。
それは決して「彼がダメ」という話ではなく、
“ 自分の心の声を聞く ”という大切な作業だったのです。
③「この選択を“ 自分で選んだ ”と思えるか?」
人は、選んだ道に納得できていれば、たとえ困難があっても前を向けます。
でも、「周りに言われたから」「流れでそうなったから」だと、どこかで責任を持ちづらくなる。
つまり、覚悟とは「正解を見つけること」ではなく、
「自分で選んだ」と思えること。
Aさんは最終的に、「結婚を焦って決めるのではなく、まず彼と “もっと素の自分で話せる関係 ”を築き直してみたい」と言いました。
それは、白黒を急がず、“ 自分で選び直す ” 第一歩でした。
「自分なりの納得」が、未来を支える
Aさんはその後、自分のペースで彼との関係を見直し、今は一緒に暮らしながらパートナーシップを育んでいます。
プロポーズを即答せず、焦らず、自分のペースで選び直したことに、彼も納得してくれたそうです。
私たちは、ついつい「完璧な答え」や「間違いのない選択」を求めたくなります。
でも本当に大切なのは、“ 自分の心に丁寧に向き合って選ぶこと ”。
そして、選んだ道に「納得できる自分」を育てていくことです。
一人では見えにくい“ 心の声 ” を、一緒に整理してみませんか?
今回のシリーズでは、「違和感」や「不安」など、結婚前に多くの人が抱える感情についてお話してきました。
それはあなたの感性であり、大切な人生のセンサーです。
もし今、「なんとなくモヤモヤする」「一人で考えても整理できない」と感じているなら、
カウンセリングという形で、少し立ち止まって自分の気持ちを見つめてみませんか?
誰かに話すことで、自分でも気づいていなかった気持ちが見えてくることがあります。
「正解」を押しつけるのではなく、あなたらしい「納得感のある選び方」を一緒に考えていきます。
あなたが、心から「これでよかった」と思える未来に進んでいけますように。
そのお手伝いができれば、心からうれしく思います。。


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最後に、「この人で本当にいいの? ―結婚前の“ 違和感 ”と“ 不安 ”に向き合う3つの視点」の
【番外編】はこちら▶︎「自分で選んだ」と思えないときに。〜“納得感”を育てるためのヒント〜