「時間が経てば、きっと楽になるよ」
そう言われたことがある方も多いのではないでしょうか。
けれど、浮気や不倫という深い傷を受けたとき、「時間が経っても全然楽にならない」「むしろ、前よりも辛くなっている気がする」と感じることがあります。
それは決して、あなたが弱いからではありません。
心の傷には、時間だけでは癒えない “ 向き合い方 ” や “ ケア ” が必要なのです。
今回は、助産師・心理カウンセラー・結婚カウンセラーという3つの視点から、心の癒しについて丁寧にお話ししていきます。
「感情にフタをする」と、時間は止まったままになる
傷ついたとき、人は “ 感じないようにする ” ことで自分を守ろうとします。
「もう大丈夫」「忘れた方が楽」と、心にフタをしてしまうこともあるでしょう。
けれど、実はその瞬間から、心の時間は止まったままになってしまうのです。
表面上は笑顔で過ごしていても、ふとした瞬間に涙があふれたり、怒りが込み上げてきたりするのは、その “ 止まった時間 ” が、まだそこにあるというサイン。
まずは「私はまだ傷ついている」と、自分の心に静かに気づいてあげることが、癒しの第一歩になります。
傷の痛みには “ 意味 ”がある
浮気や不倫をされたとき、私たちは「裏切られた」という事実以上に、
- 自分は大切にされていなかったのでは?
- 自分には魅力がないのでは?
- なぜ私は、こんなに傷ついているの?
そんな “ 自己否定 ” や “ 無価値感 ” と戦うことになります。
でも、痛みには意味があります。
その感情が湧き上がるのは、それだけあなたが誠実に、まっすぐに愛そうとしてきたから。
「自分がダメだから傷ついた」のではなく、「それほど大切にしてきた心を、踏みにじられたからこそ痛い」のです。
心の傷をケアする3つの視点
心の回復は、“ がんばる ”こ とではありません。
優しく、ゆっくり、今の自分に寄り添うことです。以下の3つの視点を持つことで、癒しのプロセスはぐっと進みやすくなります。
1. 体の反応に目を向ける
ストレスは、体に必ず現れます。眠れない、動悸、頭痛、食欲不振……。
これは「ちゃんと傷ついた」という証拠であり、「休んでいいよ」という体の声です。
まずは呼吸を深くして、あたたかい飲み物を一杯飲んでみてください。
体をケアすることで、心も少しずつ緩んでいきます。
2. 感情に名前をつける
怒り、悲しみ、虚しさ、孤独……。
湧き上がる感情に「名前」をつけてあげましょう。
「いま私は、悔しいんだな」「これは、寂しさなんだ」
名前をつけることで、感情は暴れなくなります。まるで話を聞いてもらえた子どものように、すっと落ち着いていくのです。
3. 自分を信じる
「もう誰も信じられない」と感じるとき、いちばん信じてあげたいのは “ 自分自身 ” です。
信じられなくなった相手のことよりも、
「私はこれから、どうありたいか?」に目を向けること。
この先の人生をつくっていくのは、傷ついた “ あなたの自身” だからです。
【心に優しくなるワーク】「今の私にかけてあげたい言葉は?」
紙とペンを用意して、以下の問いにそっと答えてみてください。
- 今の私、どんな気持ちがある?
- それはどんな出来事の影響かな?
- その気持ちを抱えた私に、どんな言葉をかけてあげたい?
例:「ずっとがんばってるね」「傷ついていいんだよ」「ひとりじゃないよ」
ポイントは、“ 他人に言ってもらいたい言葉 ”ではなく、“ 自分が自分にかけてあげたい言葉 ” を選ぶこと。
これは、自己肯定感の種になります。

ひとりで抱えず、あなたの心に触れる対話を
コラムを通じて、少しでも自分の気持ちに優しくなれたなら嬉しいです。
けれど、傷の深さや状況は人それぞれ。ひとりで乗り越えるには限界があることもあります。
あなたが安心して気持ちを話せる場所を、私たちは用意しています。
「しんどいな」「この想い、話してみたいな」
そんなときは、どうぞカウンセリングの扉をノックしてみてくださいね。
次回は、まとめとして「浮気・不倫を乗り越えたその先へ〜 “ 再出発 ”を選ぶあなたに伝えたいこと〜」をお届けします。
心に傷を負ったあなたが、また人生の舵を自分の手に取り戻せるように。
どんな一歩を踏み出すのか、一緒に考えていきましょう。